私がお世話になっているALS患者さんのところに来て下さっている訪問看護婦さんが、ヘルパーさんに向けて書かれた看護(介護)の留意点を、参考まで載せたいと思います。


基本的看護計画

*観察*
血圧・体温・脈拍・サチュレーション(動脈血酸素飽和度)・呼吸音・チアノーゼ・浮腫・皮膚の状態・痰の性状・息苦しさ・完全コントロール呼吸の場合、バイタルサインで変化の有無をみる・体温、脈拍上昇に注意

*呼吸管理*
正常な呼吸状態の維持・痰の出やすい状態にする
(対策)アンビューバック加圧・吸引・タッピング・バイブレーター・水分補給・呼吸リハビリ・体位ドレナージ・吸入
(カニューレの管理)挿入部の観察・Yガーゼ交換

*呼吸器管理*
通常の作動チェック・回路交換(1回/2週)・異常の早期発見・トラブルの除去
自発呼吸がない場合、接続ミスや回路のトラブルは死に繋がる・息苦しいときはアンビュウバックで加圧する

*コミュニケーション*
コミュニケーションをとり訴えを聞く・構音障害がある場合、カニューレの有無に関わらず発語出来ない・50音を瞬きで答えるアイコンタクト・透明文字盤やパソコンなどで50音を取る


*保清*
入浴・清拭・手浴・足浴(末梢冷感がある)・陰部洗浄・側臥位は短時間で行う・入浴サービス
 
*食事*
(胃ロウ管理)痛みや通過障害の有無・ガーゼ交換・胃ロウチューブ洗浄
(経管栄養管理)滴下時間・チューブ交換・トラブルの有無
嚥下がまったく出来ない場合、胃ロウか経管栄養・唾液も常に流れている・首の周りなどにティッシュを置いたりナプキンを置いたりする

*体位変換*
コミュニケーションが取りにくい状況で、満足されるまで時間がかかり、時には5ミリ位の移動の要求がある・微動も動けない人にとっての要求事項は想像を超えるものである

*排泄*
尿の量・性状、排便の頻度・性状・腸蠕動

*その他*
介護者の疲労度の様子・精神的サポート


精神的フォロー

(前)                (後)
排他的・・・・・・・・   ・・・・・・あきらめ
自暴自棄・・・・・・受容・・・・・・生き甲斐や楽しみを持つ
う つ ・・・・・・・・・   ・・・・・・生活の確立
絶望感・・・・・・・・   ・・・・・・などなど


受容の前と後では気持の違いがある。
訪問するケアスタッフは、風を運ぶ役割と言われている。
落ち込んだ空気、喧嘩の後、哀しいとき、嬉しいとき、新しい風でその場の空気を替えている役割をしている。
明るい笑顔と元気な体で素敵な風を運びたい。




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