・・・その4

患者さん(Mさん)と、私の短歌集です。気楽に読んで下さい。


・私に鳴き兎 人里離れ 山奥の   ねぐらで春の 夢と戯れ     M
   「北海道旅行のお土産に渡した
   鳴き兎のマスコットを見ながら、詠んでくれました」

・ 目を閉じて 耳を澄ませば 貝殻に そっとささやく 南国の音    M
   「こちらは沖縄土産の貝殻を見ながら・・・」

・ リハビリと 応援兼ねた 旗もらい その日決まった リーグ優勝    M
   「巨人ファンのMさんに、監督名入りの旗をプレゼントしたその日、
   リーグ優勝が決まりました。」

・ 冬木枯らしに 流されて行く  白い雲 師走の空も 月日と同じ     M

・ 年の瀬を 猫の手借りて 大掃除     M

・ 一年間の 想いを込めて行く年の 鐘を遠くで 聞きながらすすったそばの 露が目にしむ     M

・津々と 雪降り積もる 庭先を  こたつに入りて 酒を楽しむ 初春     M

・ 一年間の 幸せ願い 初詣 行き交う人が 穏やかに見え     M

・ 穏やかな 水平線を 赤々と 年の初めの 朝日が昇る     M

・ 雪解けの 水が奏でる 春の音 川に流れて 季節を運び     M

・ 久々の 同窓会に 出てみれば  シワの中にも 面影覗き     M

・ 子ども等と 力を合わせ あげた凧  希望を乗せて 天高々と     M

・ 羽子板の 罰で書かれた 墨の跡  吹き出る汗で ガングロもどき     M

・ 大人への 憧れ強き 若者の  成人式は 責任の道     M

・ 春節分は 鬼に向かって 豆を投げ  日頃の不満 密かに晴らし     M

・ しまう日を 過ぎてしまったお雛様  嫁にいけぬと 娘に泣かれ     M

・ 一枚のチョコにかけた 運命が  今ではただの 菓子屋の手先     M

・ 校門を 飾る桜が 目に潤み  もう戻れない 卒業式     M

・ 暖かな 春の日差しで 花開き  宴も盛んな 桜木の下     M

そして
・ 辞めてから この世の動き よく見えて  会社勤め 小さきものと     M

・ この病 幾年月も 付き合えぬ  みんなのために 自分のために     M

・ 七分でも 一度は咲いた 花だけに  散らせてなるか 満開までは     M

続く。



HOME