・・・その2

患者さん(Mさん)と、私の短歌集です。気楽に読んで下さい。


・あら、いつの? ふた夏前の水着あと 消えない日焼け 三十路のエレジー   由貴子
   「夏の暑い日に、往診の為に自転車を走らせるのですが、
   年を考えると、もう、無防備でいられないなぁ〜、と思ったのです。」

・夏の日の 陽射しを横切る 風受けて からだを踊らす 太陽の花       由貴子
   「Mさんのお宅に行く途中、空き地に20本ぐらい、
   背の高いひまわりが咲いていて、 それを見る度に、
   映画の『ひまわり』を思い出して、しばし、白日夢を見てしまいます。」



平成十一年初秋

・ 暑き日を 越えて育った 葡萄の実 甘い香りが 園を漂う         M
   「暑い日を越えたからこそ、甘いんですよね。」

・ 長き日を 遠く旅した 老人に シワの数ほど 人生学ぶ        M
   「男の顔は履歴書だ、と言う言葉がありますが、何も男に限らず、
   女にしても同じです。 どういう生き方をしてきたかと言うことは、
   ハッキリ顔にあらわれる、と私は思っています。」  

・ 親馬鹿が 子供自慢を 絵に写す 運動会の 熱い一日          M
   「今時の運動会は、すごいらしいですね。
   かくいう我が家もまさしくそのハシリで、 私の幼稚園時代の運動会は、
   しっかり8ミリビデオ(モノクロ)におさめられてます。(笑)」

・ 稲刈りが 終わった後の 田んぼには 田螺を探す 子供の声が        M
   「稲刈りも、田んぼも、田螺も、私には身近なモノではありませんが、
   こういう歌に懐かしさを覚えます。」

・ 子どもらと 風に吹かれて 散歩する 夕暮れ時の 赤とんぼかな       M
   「Mさんが、小さいお子さんをつれて夕暮れ時に
    散歩している姿を、なんとなく想像できます。」

続く。


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