第1回

患者さんの中に、ALS(筋萎縮側索硬化症)
に罹っている方がいらっしゃいます。

現在、その方と御縁があって治療をさせていただいて、
約半年ぐらいになります。(99、7現在)
その方と出会うまで、ALSという病名こそ聞いたことがあるものの、
実際どういう病気なのかは、恥ずかしながらまったく知りませんでした。
しかし、治療をさせていただいて、
その病気の筆舌できない程の過酷さや、
病気と闘う患者さんのことや患者さんを支える家族の御苦労、
コメディカルといわれる医療チームの働き、 などなど、
分かったことがたくさんありました。
ぜひ、そういったことを、他の方達にも知ってもらいたくて、
このコーナーを設けました。
この病気の専門家ではありませんが、 鍼灸・指圧師の眼をとおして、
また、一人の人間として、知り得たこと、感じたこと
など書いていきたいと思います。
また、その患者さんのお許しが出たならば、
その方の書かれた 自伝や、短歌、ベッドの中で考えられていることなど
紹介できれば、と思っています。



第2回

・2000/1/15 静岡新聞より転記 「代筆認めず選挙権侵害」とALS患者が提訴

筋肉の萎縮が進行する原因不明の難病「筋萎縮側索硬化症」
(ALS)の患者で、字を書くことができない東京都在住の3人が14日、
代筆による郵便投票などが認められないのは選挙権侵害で違法と して、
国に一人あたり90万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁 に起こした。

@弁護団は「国は早急に投票制度を改善すべきだ」としている。
@訴えたのは東京都渋谷区の村山芳子さん(69)ら。

3人とも人工呼 吸器を装着、自宅療養中で投票所に行くことができず、
自分の手で は文字が書けないため文字盤などで意思伝達をしている。
@訴状などによると、現行の公選法では、郵便による不在者投票は
本人の自書に限られており、家族の代筆やワープロによる記入は認められていない。
このため3人は投票の意志があるのに昨年のと知事選などを棄権せざるを得なかった。
@ALSは人間の運動を司る神経が侵され、筋肉の萎縮と筋力低下が
次第に全身に広がる原因不明の難病。

おかしいなー、これは国が。早急に改善すべきだと思う。
これは自戒を込めてこう書くのだけど、とかく民主的ををはき違えて
多数決に従ってしまい、マイノリティを排斥・黙殺してしまう。
一人一 人、ひとつひとつを見てみれば、同じ一人・同じひとつなのに
数で勝 っている方が優位に思えてしまう。
それから、誤りに気づいて、早急 な対応が求められることは
臨機応変に対応すべきだと思う。
人間は生ものだから、刻一刻と変化し続けているのだから、
好機を逸しない ことが大切なんじゃないかと思う。



第3回
2001・4・18ALSの患者さんのもとに、パソコンが導入されました。

ALSの方のための意思伝達装置なので、いろいろ特別な装置が付いています。
以下に、ちょっと古い情報ですが、参考までに
毎日新聞に掲載された内容を記します。
また、興味のある方は、こちらをご覧下さい。
http://www.hke.co.jp/products/dennosin/denfaq.htm
http://member.nifty.ne.jp/kazu-page/education/edu-07.htm

毎日新聞 日立製作所は8月27日までに、筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者が、
まばたきやあごで触れる などわずかな動作でパソコンを操作し、
周囲に意思を伝えるシステム「伝の心(でんのしん)」の機 能を大幅に強化し、
99年10月から販売すると発表した。「体の向き変えて下さい」
「カーテンを引 いて下さい」といった文章を登録し、
エアコンなど家電のリモコンを操作したり、家庭用ゲーム機
「プレイステーション」を動かすこともできる。

「伝の心」は日立が1997年に開発・発売した。パソコン、
磁気センサーを使った入力装置、リモ コンなどから成り、
文章作成やポケットベルの呼び出しもできる。
これまでに約300台を発売した。

従来、専用リモコンでテレビ、ビデオだけが操作できたが、
今回の機能強化でリモコンがついている 全家電製品の操作のほか、
本を読むページめくり機も操作できるようになった。
価格は厚生省が指定する日常生活用具の購入補助限度額の50万円。
原則として患者の費用負担な し。

既存のユーザーが、今回強化された機能を活用するには
ソフトの更新が必要だが、無償で対応する。

ALSは運動をつかさどる神経が変形し、
次第に筋力が低下・委縮する難病で、
宇宙物理学者のホー キング博士や、
米メジャーリーグの故ルー・ゲーリック選手も患者だった。
知覚・感覚がはっきりし ているのに筋肉が動かなくなるため、
言葉を発することができない。国内には約4500人の患者が いる。



→ HOME