鍼灸の講師の先生にそそのかされて、
ついぞ足を踏み入れてしまった沢登り。
もう、抜け出られない。
嗚呼、そこは地獄か、はたまた桃源郷か・・・


2002 9月某日 丹沢 葛葉川


個性的な面々。私は白ヘル。
かぶりもの好きというわけではないが。
  「明日の神奈川西部の天気は、午前中は曇り、午後から雨(1時間に2ミリ程)だそうですが、時期的に沢登の最後のチャンスであること、コースが楽であること、を考えて、決行したいと思います。雨カッパの用意はお願いします。」

とのリーダー海老原先生からの前日メールで、ここ数日の雨続きの陽気に諦めかけていた今年最後の沢登りは決行しました。

 ゆえに、この日のために、ようやっとコッヘルを買い、どうーしても沢でジャスミンティを飲みたかった私の切なる想いは叶えられたのでした。今回は、鍼灸仲間20人の大パーティ。連なって歩く姿は、結構壮観でした。

 さて、終始雨に降られていたわけですが、どーせ雨で濡れてるんだから滝で濡れてもへっちゃら、みたいな覚悟が自然と出来てしまったので、どんなにずぶぬれになっても全然気にならなかったですねー。

 レベル的には、リーダーの先生曰く「初級コース」で、ザイルが必要な滝もなく、淡々と歩けました。ただ、沢の水量は多かったです。なので、またいつもとは景色の違った丹沢が楽しめました。

 沢登りの面白さって言うのは、決まりがないって事が一つあります。水量の増減によっても、登るコースは甚だしく変化するし、また、サワノボラーによっても千差万別のコース選択があるから。つまり、人によっても登り方が違うと言うことです。それは、体力の差もあるし、登攀技術の差もあるし、好みの差もあるし。体力があり余って滝をがしがし登りたい人もいるだろうし、濡れないことを目標に歩いている人もいるだろうし、危険なことをしたい人もあるだろうし、その反対もあるだろうし、そんな風に人それぞれ、それぞれのコースで登れるのが沢なんですよね~。

 だから、今回は20人20通りの登り方があったわけで、いろんな個性が出て、そんなことも楽しかったのでした。


2002年8月某日 東北・栗駒山麝香熊沢

 当初、一日目に麝香熊沢を登りきり、避難小屋で一泊し、湿原でお花畑を眺めながら下山する予定でした。・・・が、残念ながらの悪天候のため、待望の沢は約三分の一ほどで断念し、あとは温泉行きとあいなり。しかしながら、素晴らしい沢だった!水は透明で澄んでいて冷たかった!渓流、滝、岩、樹木、花、葉、カエル、魚、自然の造形美というのか、人の手の加わっていない自然そのものを体感したのだった。
ほんとに、きれいだったなぁ。 気持ちよかったなぁ。

今回はガイドさんに連れられて行ったのだけど、いろんな高山植物の説明をしてくださったり、「ここはブナの原生林!すばらしい!」などのガイドさんの驚愕・驚嘆の声に、初めて「ほぉ~、そんなにすごいのかい」と、言われて気が付く、みたいなことも多々あったのでした。

自然の成り立ちってのは、ごっちゃっとあるんだけど、それでいて整然としていて、秩序がなさそうなんだけど、きちんと棲み分けが出来ていたり。
また、逆も然り。
そして、無制限。そこまでっていうのがないからね。ってな具合で自然は再現できないなぁ。それに抗おうとするのはアホなんだなぁ。唯一、人が出来る仕業というのは、自然として同化することなんだろうね。考えるのでなく感じること。
感じたことをそのまま表現するということなんだろう。
感じる存在になれば、そこに調和していけるのではなかろうか。委ねてみるとか、任せてみるとか、そう言うことなんじゃないかな。人が自然の中で共生するには、それが大切なのではないかな。

でもね、なかなかそれができないのよねぇ。
人は自然の中で不自然に生きてるように思うけど、そうやって決まり事を作ってしまうのは行き詰まりも感じるけど、生きやすいから。自然丸出しの場面では、きっと人って弱すぎるだろうからね。

いろんな状況下に於いて、制約があるから不自由に感じる一方、制約がなければなかなか自由にも振る舞えないものだったりしてね。

経験だとかさ、机上の学習だとかさ、いろんな事を学ぶ訳だけど、どうしたって人の考える事なんてたかだかしれてる。考える事って限りがある。だって知らないことの方が多いんだから。ひらめきとか、勘とかそう言ったものに由来したりするなにかの理論を緻密に作り上げたとしても隙間は出来る。

そこで、感じる訓練。
目をつぶってみるとよく分かる。いろんな音が聞こえてくるし、匂いも感じる。肌の感触もかわってくるようだ。視覚以外のさまざまな感覚が蘇ってくる。日常、いかに見えることにたくさんの物が遮られているかよく分かる。目からの情報によって、思考されることが多い。そういうことが知らぬ間にされ、身に染みついている。だから、その回路を断ち切ったことで、なにかを感じやすくなる。

ところで、どうしてこんなに沢が好きなんだろう、わたし。
海も山も川も好きだけど、一番惹かれるのは沢。

そこに在ると言うだけの圧倒的な存在感。
沢登りというスポーツ?レジャー?があることを知って、急激にはまってしまったのだけど、別に、滝を登りたいわけでもなく、いや、勿論登ればスリルがあってわくわくするのだけど。また、未踏の地への開拓心や憧憬が格別あるわけでもなく、いや、勿論荒らされていない自然を満喫したいのだけど。それから、荒行のようなハードなへつりをしたいわけでもなく、いや、へとへとな自分に酔ったりもしたいのだけど。
・・・そんなことよりも、ただ沢と同化したい!と言う感覚かな。
そこにいるだけで嬉しい。
沢の中を歩けば楽しい。
石から石へと上手に跳べればもっと楽しい。
そしてザブンとつかって泳げば更に楽しい。
だから、急がない。完全遡行だけを目指さない。じっくりゆっくりその時々を吸収して、自分を開放出来ればいいなと思う。


2002 8月某日 安倍川 クロン沢

今年の夏は猛暑な毎日ですが、サワノボラーとしては嬉しい夏。
さて、8月某日、ほぼ1年ぶりの沢登りに行ってきました。安倍川の奥のクロン沢というところです。
元山岳会員の方のガイドで、地元のサワノボラーと3人で行きました。半日の遡行です。
当日は、かーんと抜けた青空、まったくもって沢登り日和。こんな日は、青天井のもとビールも旨かろう。
さて、沢登り。
遡行距離は短かったものの、なかなかダイナミックな沢を堪能したのです。
腰まで浸かってがしがし歩いたり、プチ滝(?)を滑り台の如く滑り、頭のてっぺんまでずぶぬれになって泳いだり、ホント、そりゃ気持よかったですぅ!!まだ、そんなに人に荒らされていない様子で、それまで行っていた丹沢との違いを実感しました。
きれいでした。
ヘビとかカエルとかに遭遇したり、鹿の足跡があったり、イワナも泳いでましたしね。マイナスイオンをいっぱい浴びて、身も心も美しくなりソッ。


2001年9月23日 神奈川県丹沢、水無川本谷 沢登り


さぁ、これから出動!
ん?なぜかウエットスーツ姿の御仁が・・・。
足元は地下足袋にわらじだし、なんか怪しい。
それを横目で見ています。それが私。


注意!滑落事故多発。お~、こわっ。
ホントにこわかった。こんなとこ登ったりする。

マスクにゴーグル、ヘルメット。正しい沢登りスタイル・・・
と言うわけがあるはずがない。


人が小さく見える。今まで経験した中で最高に恐ろしい沢だった。
私はとても直登できない。
ゆえに、巻き道を行ったのだけど、岩や石は脆く、土は軟らかいため、
根の張る木を頼りに這いずって登ったという感じかな。

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